健康食品の製造に関連する3つの認証制度、ISO、GMP、HACCP。それぞれどのような制度なのか概要や相互の関連性、そしてOEMメーカー選定時にチェックすべき点などを紹介します。
まず、ISOとはInternational Organization for Standardizationの略称であり、日本語での表記は国際標準化機構。ISO規格というグローバルな規格を定めるスイスの団体で、日本から加盟しているのは日本工業標準調査会となります。
ISO規格は大別すると製品規格とマネジメント規格の2種類。健康食品に直接関係するのがISO22000で、食品安全マネジメントシステム(FSMS)を意味します。また、品質管理マネジメントシステムがISO9001で、後述するHACCPとISO9001を含めたものがISO22000という位置づけです。
健康食品の製造を依頼するなら、ISO22000認証を取得している工場を持つOEMメーカーを選びたいところです。
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略称であり、日本語での表記は適正製造規範。もともとはアメリカの食品医薬品庁が1963年に制定した法律で、食品・医薬品とも対象としたものでしたが、日本では1980年に医薬品の製造・品質管理のガイドラインとしてスタートしています(※1)。
その後、日本でも健康食品に関するGMP認証が誕生。公益財団法人 日本健康・栄養食品協会と一般社団法人 日本健康食品規格協会、2つの団体がそれぞれ健康食品GMPの認証を行っています。
なお、GMPの認証を取得するには工場設備のハード面と運営ルールとなるソフト面、両面で基準をクリアする必要があります。医薬品製造では不可欠な認証ですが、健康食品は義務化されているわけではありません。ただし、信頼や安全を考えれば、健康食品GMPまたは医薬品GMPの認証工場を持つOEMメーカーに依頼する方が安心でしょう。
HACCPとはHazard Analysis and Critical Control Pointの略称。食品製造の全工程で、食中毒菌汚染や異物混入といったリスクの低減・除去をするための衛生管理方法です。2021年6月1日以降、食品等事業者にはHACCPに準拠した衛生管理が原則義務付けられています(※2)。
これまで日本では、医薬品に比べると健康食品の製造工程における品質管理・衛生管理といった点は、製造事業者次第といった側面がありました。一方、機能性表示食品のように、事業者側の責任において成分の機能や安全性を担保する必要がある製品のニーズが高まっているのも実状。健康食品の製造工程でも、ISO22000や健康食品GMPの認証工場に製造委託した方がよさそうです。
※2021年8月18日調査時点で「サプリメント OEM」Google検索上位90社のOEMメーカーの中から、ISO、GMP、HACCPいずれかの認証を取得した自社工場があり、機能性表示食品の対応が可能な会社を調査し、以下の条件で選定しております。
⑴公式HP上で公開している独自成分・技術の数が6件以上の会社
⑵公式HP上で公開している自社工場数が4ヶ所以上あり、小ロット対応の記載があった会社
⑶公式HP上で海外生産拠点とHALAL対応、輸出サポートの記載があった会社