機能性表示食品の消費者庁への届出には、SR作成や臨床試験(RCT)を実施しなければなりません。そこで、SRやRCTの概要や届出のプロセスなどを紹介します。
SRとはSystematic Reviewの頭文字をとったもの。日本語表記では総合的文献調査とされます。
機能性表示食品の認証を取得するには、当該成分の機能が有効であることを証明する科学的エビデンスが必須要素。そのエビデンスを構成する要素のひとつが研究レビューであるSRです。
ここでいうレビューとは、臨床試験の論文や文献を調べて、当該機能性関与成分に関する評価を整理した資料。国内外の論文データベースや医中誌を調べて、それぞれ1つずつピックアップする必要があります。
また、内容的には条件を満たす論文であっても、疾病罹患者や未成年者を対象としたものなど除外しなければならない条件があるので注意しましょう。
エビデンスのもうひとつの要素が臨床試験(RCT)。Randomized Clinical Trialの頭文字をとったもので、最終製品の接種グループとプラセボの接種グループをランダムに編成、ブランド試験を実施します。
臨床試験は認定臨床研究審査委員会の監視のもとで行われ、論文を作成して査読付き雑誌に掲載しなければなりません。
機能性表示食品の消費者庁への届出はどういった順序で進めるのか、簡単に整理してみましょう。
SR(研究レビュー)とRCT(臨床試験)の結果をもって、関与成分の機能性に関する科学的エビデンスとします。
届出を行うにあたっては、商品名などの基本情報(様式I)と科学的エビデンスの他にも揃えておかなければならない書類があります。食経験や安全性試験による安全性の根拠、ISOやGMPなど生産・製造・品質の管理方法、CS部門など健康被害の情報収集体制、パッケージデザインなど表示内容、作用機序(関与成分が機能性を発揮する仕組み)といったところです。
必要書類を揃えて消費者庁へ届出をします。書類不備などがあれば差し戻しされるので、修正して再度書類提出をする必要があり、この段階でスタックするケースも少なくありません。この分野は日夜研究開発を競いあっている状況。届け出る側も運用の変化を逐次キャッチアップしていなくてはなりません。
届出内容が認められると消費者庁から受理番号が交付され、消費者庁HPにも公開されます。そこから60日間、トラブルなどが発生しなければ製品リリースとなります。
関連する論文の調査やレビュー作成、臨床試験の実施、そして消費者庁への届出と、実績を持つ専門スタッフがいない覚束ない業務。これらもサポートしてくれるOEMメーカーであれば、製品の企画段階から調査研究などで頼りになるのではないでしょうか。
※2021年8月18日調査時点で「サプリメント OEM」Google検索上位90社のOEMメーカーの中から、ISO、GMP、HACCPいずれかの認証を取得した自社工場があり、機能性表示食品の対応が可能な会社を調査し、以下の条件で選定しております。
⑴公式HP上で公開している独自成分・技術の数が6件以上の会社
⑵公式HP上で公開している自社工場数が4ヶ所以上あり、小ロット対応の記載があった会社
⑶公式HP上で海外生産拠点とHALAL対応、輸出サポートの記載があった会社