5-ALAは、健康食品や機能性表示食品の主要成分として採用が進んでおり、医療・バイオ分野でも注目されている原料です。
本記事では、5-ALAの特性や期待される効果、サプリメント製造における技術的ポイント、OEM・ODM委託時の注意点などを解説します。5-ALAサプリメントの企画・製品化を検討されている方は、開発判断の一助としてご活用ください。
すべての生物に存在する天然アミノ酸で、微量ながら野菜や発酵食品にも含まれています。
体内でヘム(鉄を含む色素成分)の前駆体として合成された後、「シトクロム酵素群」の構成要素へ代謝されるメカニズム。体内合成量は、加齢やストレスなどの影響で低下するのが一般的です。
5-ALAは非常に不安定で、原料として使用するには酸化・変質しやすいリスクがあります。そのため、サプリメントや飲料には、5-ALAP(アミノレブリン酸リン酸塩)の形で配合されるのが一般的です。体内に吸収された後はリン酸が外れ、5-ALAとして作用します。
5-ALAが代謝される過程では、エネルギー産生効率を高める「シトクロム酵素群」が構成され、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が活性化されます。そのため、糖の利用効率を高め、血糖値の上昇を抑える効果が期待されているのです。
広島大学の研究グループは、軽度高血糖の被験者を対象として、5-ALAと血糖値の関係を検証する臨床試験を実施しています。5-ALAとクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)を異なる比率で配合した3種類の食品と、いずれの成分も含まないプラセボ(偽薬)を用意し、被験者を無作為に割り振って12週間継続摂取させました。
その結果、5-ALAとSFCの高用量群は、プラセボ群と比較して空腹時血糖値や食後血糖値の上昇が有意に改善。試験開始時点で血糖値が高かった被験者ほど、改善効果が大きい傾向が確認されており、境界型や糖尿病予備群への応用可能性が示唆されています。
参照元:SBIファーマ【PDF】(https://www.sbipharma.co.jp/wp-content/uploads/2020/04/SBI_pharma_20130625.pdf)
疲労感の主な原因は「エネルギー不足」や「代謝低下」による身体機能のパフォーマンス低下です。5-ALAはミトコンドリアでのATP産生をサポートするため、エネルギー不足の状態を改善し、結果的に「疲労感の軽減」につながると考えられています。
広島大学は、5-ALAの疲労軽減効果に関する臨床実験を実施しました。日常的に身体的疲労を感じている20〜64歳の男女70人を2群に分け、一方には5-ALAP含有錠剤(30mg)を、もう一方には成分を含まないプラセボを8週間経口摂取させる実験です。
実験の結果、5-ALAP摂取群では「全体的な疲労感」「仕事による疲労感」「怒り・敵意」が有意に改善されました。現在は、健康食品分野において「エネルギーサポート」「疲労対策」などの用途で製品開発が進んでいます。
参照元:広島大学(https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/60472)
サプリメントに使用される5-ALA原料の多くは、遺伝子組換え微生物などを用いた発酵法によって製造されています。サプリメント製品として加工する際には、5-ALAの水溶性や酸化リスクに配慮しながら、造粒・コーティングする技術が必要です。
5-ALA原料の製造 | 遺伝子組換え微生物などを用いた発酵法が一般的。高純度で食品用途に適した原料が得られる。 |
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製剤設計時の安定性確保 | 5-ALAは水溶性かつ酸化に弱いため、コーティング処理やpH調整などによって安定性を確保する。 |
製品設計 | ターゲット市場や摂取目的に応じて、配合量や剤型(タブレット・カプセル・ドリンク)を最適化する。 |
製造管理 | GMPやHACCPなどの品質管理基準に準拠した製造環境が求められる。 |
5-ALAは不安定な性質を持つため、配合・加工するには専門的な技術とノウハウが不可欠です。実績が豊富な委託先は、5-ALAの特性を熟知しています。酸化・変質のリスクを低減する製造プロセスを、確立している可能性が高いでしょう。
市場投入前のパイロット製品開発や、機能性表示食品としての展開を見据える場合、少量からの生産に対応でき、かつスピーディーに開発を進められる体制を持つ企業を選ぶことが大切です。柔軟な開発力を持つ委託先は、貴社の多様なニーズに応え、市場投入までの期間短縮に貢献します。
機能性表示食品の届出支援や臨床データの活用実績を持つ企業との連携は、商品企画において大きなアドバンテージとなります。信頼性の高い製品を市場に投入する上で、特に注視すべきポイントといえるでしょう。
原料調達における供給リスクを軽減するためには、調達ルートの透明性と信頼性が重要な要素となります。とくに、世界情勢や物流の混乱といった外部要因に影響を受けにくい、安定したサプライチェーンを構築している企業との連携は、継続的な製品供給体制の確保に直結します。
新商品の設計・開発を請け負うODM企業は基本的には、さまざまな原料、剤形、包装資材・容器を扱うことが可能です。しかし、独自原料の保有や、独自の特許技術、増産実績など各社特徴を持っており、ここでは商品開発で強みを持つ目的別のおすすめODM企業をご紹介します。
安全性と効果を体感できる有効成分含有量のバランスを取った商品設計で、取り扱いサプリメントの75%に対して増産依頼があります(※1)。
エビデンスの構築に注力しており、医師や大学、研究機関と連携。効果と安全性を科学的に証明し、ブランドの信頼と高いリピート率を支えています。
王子食品ではまだまだ珍しい膣内フローラの安定化をさせるサプリメントを30日分×400製品の小ロットで提供。
フェムケア以外にも、バターコーヒーやモリンガなど、拡大している市場だが、在庫をあまり持ちたくないといった悩みにも対応しています。
抗肥満・BMI低下、内臓脂肪、皮下脂肪低減など、ダイエット関連で多様な商材に対応。
剤形も通常の打錠・各種カプセルだけでなく、ドリンク、ゼリーなどにも対応しており、剤形から他社と差別化を図れることも可能です。
※1 参照元:株式会社SBS公式サイト
https://www.sbs-company.co.jp/lp/ 2024年9月調査時点
商品の設計をした依頼主から、製造工程だけを請け負うOEM。設計した新商品をターゲット層の嗜好に添って適切な剤形で提供することは、消費者にリピート購入してもらうための大事な要素です。しかしながら、OEM企業側の設備がなく、狙った剤形が対応できない場合も多々あります。ここでは、市場で反響を呼びやすい剤形のサプリメント製造を得意としているOEMメーカーをご紹介します。
ソフトカプセル自動機のメーカーとして、世界各国へ200台余りの機械を納入(※1)。
粉末原料も充填可能なシームレスカプセルや、胃に溶けずに腸まで内容物を届けることが可能な耐酸性カプセルなど、ニーズに沿った幅広いカプセル製造が可能。
ガラス瓶、プラスチック容器、アルミボトル缶、液体三方が選択でき、0.5ml~900mlまでの容量に対応可能。
ハチミツ、オリゴ糖といったシロップ状原料や、エキス製品、果汁・お茶などのろ過・精製も対応可能。
機能性グミ・果汁入りグミ・糖衣グミ・センターイングミなどオリジナルグミのフルオーダー製造が可能。
また、形状、風味、色調、食感を用意されている規格から選択し、開発期間を最短6ヶ月に短縮できるセミオーダー製造も選択できます。
※1 参照元:三協公式サイト
https://sankyohd.com/companyprofile/ 2024年9月調査時点