近年、健康維持やエイジングケアへの関心が高まる中で、さまざまな成分が注目を集めています。中でも、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は特に注目を集めている成分です。本記事では、NMNとは何か、その働きや期待される効果、市場の現状と将来性、製造方法、そしてOEM・ODMでの製造ポイントについて解説します。
NMNは、ビタミンB3(ナイアシン)の一種で、正式名称をニコチンアミドモノヌクレオチドといいます。体内でエネルギー生成や代謝に関与する重要な補酵素であるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の前駆体として知られています。NMNは、枝豆、ブロッコリー、アボカドなどの食品に微量ながら含まれています。
NMNは体内でNAD+に変換され、エネルギー代謝やDNA修復などの重要な生理機能に関与すると言われています。NAD+は加齢とともに減少することが知られており、NMNの摂取によりNAD+レベルを維持することで、健康維持への寄与が期待されています。ただし、これらの効果は研究段階であり、さらなる科学的検証が必要です。
NMNは体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換され、細胞のエネルギー産生に関与します。マウスを対象とした研究では、NMNの投与により加齢に伴うエネルギー代謝の低下が緩和されたと報告されています。
高脂肪食により2型糖尿病を発症したマウスにNMNを投与したところ、NAD+レベルが回復し、グルコース不耐性が改善されたとする研究があります。
参照元:
Nicotinamide mononucleotide, a key NAD+ intermediate, treats the pathophysiology of diet- and age-induced diabetes in mice - PMC(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3204926/)
Nicotinamide mononucleotide protects against pro-inflammatory cytokine-mediated impairment of mouse islet function - PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21901281/)
アルツハイマー病モデルマウスにNMNを投与した研究では、認知機能の改善が観察されました。具体的には、β-アミロイド産生の減少やシナプス喪失の抑制が報告されています。
参照元:
Nicotinamide mononucleotide inhibits JNK activation to reverse Alzheimer disease - PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28330719/)
NAD replenishment with nicotinamide mononucleotide protects blood-brain barrier integrity and attenuates delayed tissue plasminogen activator-induced haemorrhagic transformation after cerebral ischaemia - PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28812311/)
フリードライヒ運動失調症の心筋症マウスモデルにおいて、NMNの投与が心臓のエネルギー生成と利用を改善し、拡張機能を向上させたとする報告があります。
参照元:
Nicotinamide mononucleotide requires SIRT3 to improve cardiac function and bioenergetics in a Friedreich’s ataxia cardiomyopathy model - PMC(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5518566/)
Short-term administration of Nicotinamide Mononucleotide preserves cardiac mitochondrial homeostasis and prevents heart failure - PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28882480/)
Nicotinamide Mononucleotide, an Intermediate of NAD+ Synthesis, Protects the Heart from Ischemia and Reperfusion - PMC(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4048236/)
老齢マウスにNMNを長期間投与した研究では、骨格筋のミトコンドリア機能が向上し、加齢に伴う筋力低下が緩和されたと報告されています。
老齢マウスにおけるNMNの長期投与が、眼の機能を有意に改善したとする研究結果があります。
高脂肪食により肥満になったマウスにNMNを投与したところ、筋肉および肝臓における脂肪蓄積の減少や耐糖能の改善が観察されました。
なお、これらの効果は主に動物実験に基づくものであり、人間に対する効果はまだ十分に確認されていません。また、NMNの摂取に関しては副作用の可能性も指摘されています。例えば、末梢神経障害の軸索変性を悪化させる可能性があるとする研究もあります。
NMNを含むサプリメント市場は近年急速に拡大しています。2023年のグローバル市場規模は約3,000万米ドルと報告されており、2032年までに7,200万米ドルに達すると予測されています。この成長は、健康志向の高まりやエイジングケアへの関心増加によるものと言えるでしょう。しかし、市場の拡大に伴い、製品の品質や安全性に関する議論も増えているため、メーカー・消費者ともに、信頼性の高い製品を選択することが重要です。
NMNサプリメントの製造方法には主に以下の3つがあります:
食用酵母を用いて発酵させ、NMNを生成する方法です。食品由来のため、安全性が高いとされていますが、製造効率が低く、コストが高くなる傾向があります。
化学的な反応を利用してNMNを合成する方法です。大量生産が可能でコストを抑えられる利点がありますが、純度や安全性の管理が重要となります。
酵素を利用してNMNを合成する方法で、高純度のNMNを効率的に生産できるとされています。
NMNサプリメントのOEM・ODM製造を検討する際には、まず原料の品質と純度を確認し、正規の輸入ルートを経たものを使用することが不可欠です。次に、NMNサプリメントの製造実績が豊富な工場を選定することで、高品質な製品の提供が期待できます。
また、広告や表示に関しては、薬機法や景品表示法を遵守し、適切な表現を用いることが求められます。さらに、NMNと他の成分の組み合わせに関する特許が存在する場合があるため、製品開発時には特許侵害にならないよう注意が必要です。
これらのポイントを踏まえることで、安全で信頼性の高いNMNサプリメントの製造が可能となります。
新商品の設計・開発を請け負うODM企業は基本的には、さまざまな原料、剤形、包装資材・容器を扱うことが可能です。しかし、独自原料の保有や、独自の特許技術、増産実績など各社特徴を持っており、ここでは商品開発で強みを持つ目的別のおすすめODM企業をご紹介します。
安全性と効果を体感できる有効成分含有量のバランスを取った商品設計で、取り扱いサプリメントの75%に対して増産依頼あり(※1)。
継続性の高い商品設計ができるため、長期的な消費者基盤を築くことができ、安定した収益を確保が可能です。
睡眠や記憶力系のサプリは、健康の悩みの中でも習慣としての継続利用が見込まれます。
王子食品ではまだまだ珍しい膣内フローラの安定化をさせるサプリメントを30日分×400製品の小ロットで提供。
フェムケア以外にも、バターコーヒーやモリンガなど、拡大している市場だが、在庫をあまり持ちたくないといった悩みにも対応しています。
近年話題の女性のQOL向上の市場。下着や化粧品が中心ですが、サプリ市場でも注目されています。
抗肥満・BMI低下、内臓脂肪、皮下脂肪低減など、ダイエット関連で多様な商材に対応。
剤形も通常の打錠・各種カプセルだけでなく、ドリンク、ゼリーなどにも対応しており、剤形から他社と差別化を図れることも可能です。
需要はあるが、競合の多いダイエット市場では、差別化のために新しい切り口の商材が求められる傾向にあります。
※1 参照元:SBS公式サイト
https://www.sbs-company.co.jp/lp/ 2024年9月調査時点
商品の設計をした依頼主から、製造工程だけを請け負うOEM。設計した新商品をターゲット層の嗜好に添って適切な剤形で提供することは、消費者にリピート購入してもらうための大事な要素です。しかしながら、OEM企業側の設備がなく、狙った剤形が対応できない場合も多々あります。ここでは、市場で反響を呼びやすい剤形のサプリメント製造を得意としているOEMメーカーをご紹介します。
ソフトカプセル自動機のメーカーとして、世界各国へ200台余りの機械を納入(※1)。
粉末原料も充填可能なシームレスカプセルや、胃に溶けずに腸まで内容物を届けることが可能な耐酸性カプセルなど、ニーズに沿った幅広いカプセル製造が可能。
ガラス瓶、プラスチック容器、アルミボトル缶、液体三方が選択でき、0.5ml~900mlまでの容量に対応可能。
ハチミツ、オリゴ糖といったシロップ状原料や、エキス製品、果汁・お茶などのろ過・精製も対応可能。
機能性グミ・果汁入りグミ・糖衣グミ・センターイングミなどオリジナルグミのフルオーダー製造が可能。
また、形状、風味、色調、食感を用意されている規格から選択し、開発期間を最短6ヶ月に短縮できるセミオーダー製造も選択できます。
※1 参照元:三協公式サイト
https://sankyohd.com/companyprofile/ 2024年9月調査時点